周囲より自発性が少ないわが子に気づいて始めた、ABAとの向き合い方


子どもが生まれたとき、私は「できるだけ多くの人と関わる経験をさせたい」と考えていました。
そのため、まだ小さい頃から地域の遊び場や親子向け施設に足を運び、年齢の近い子どもや大人と接する機会を積極的につくっていたのです。

ところが、成長するにつれて少し気になることが出てきました。
まわりの子どもたちは、誰かが困っていたり手助けを必要としていたりすると、自分から近づいて自然に関わろうとする場面がよくありました。
たとえば、おもちゃを落とした子のそばへ行って拾ってあげたり、先生が準備しているものを一緒に運ぼうとしたりするのです。
一方で、うちの子はそうした場面でも周囲にはあまり目が向かず、自分の遊びや興味のあることに集中していることが多くありました。

もちろん、それだけで何かを決めつけるつもりはありませんでした。
ただ、同じような様子を何度も目にするうちに、「この子には、この子なりの理解のしかたや関わり方があるのかもしれない」と感じるようになったのです。
そこで専門機関に相談し、生活面・対人面・行動面などを含めて見てもらった結果、発達障害の特性があることがわかりました。

診断を聞いたときは驚きもありましたが、それ以上に「ようやく関わり方のヒントが見つかるかもしれない」と感じたのを覚えています。
その後、児童発達支援の中で教えてもらったのが、ABA(応用行動分析)という考え方でした。
ABAは、子どもの行動を責めるのではなく、「どんなきっかけで動きやすいのか」「どうすれば望ましい行動が増えやすいのか」を具体的に考えていく方法です。
児童発達支援の担当者からも、「自発的な行動を引き出す支援に向いていますよ」と説明を受け、家庭でも無理のない範囲で取り入れてみることにしました。

関わる中でわかってきたのは、わが子は“人が楽しそうにしていること”には強く興味を持つという点でした。
そこで、何か手伝ってほしい場面では、こちらが余裕のない雰囲気を出すのではなく、できるだけ楽しそうに、明るく動くよう意識しました。
たとえば、洗濯物をたたむときも「一緒にやると早いね」と声をかけたり、おもちゃの片づけでも「ここに並べると気持ちいいね」と、作業そのものが前向きに見えるようにしたのです。

すると、少しずつ子どもの反応が変わっていきました。
最初は見ているだけだったのに、ある日ふっと近づいてきて、同じ作業を一緒にするようになったのです。
そして落ち着いたタイミングで「手伝ってくれて助かったよ、ありがとう」と伝えると、最初は少し意外そうな顔をしていました。
でも、その表情から「こういう行動は人に喜ばれるんだ」と理解していったのがわかりました。

そこからは、頼まれたことを自分から手伝おうとする場面が少しずつ増えていきました。
大きな変化は一気には起こりません。
それでも、その子に合ったきっかけや伝え方を見つけることで、自発性はちゃんと育っていくのだと実感しています。

発達障害のある子どもと向き合っていると、「どうして周りと同じようにできないのだろう」と悩む瞬間もありますよね。
けれど、必要なのは“できない部分を責めること”ではなく、“動きやすくなる条件を見つけること”なのかもしれません。
もし今、お子さんの自発性や関わり方に不安を感じているなら、「何に興味を持ちやすいか」「どんな声かけなら入りやすいか」を、少し丁寧に見直してみるとヒントが見つかるかもしれません。
てらぴぁぽけっと三郷駅前教室


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