好奇心が強くてじっとしているのが苦手な娘は、お散歩や買い物に行くとすぐに私の手を振りほどいて走り出してしまうのが最大の悩みでした。「危ないよ」「手をつなごうね」と何度言い聞かせても、見たいものがあれば一目散に駆け出してしまうのです。
ある夕方、スーパーからの帰り道に、娘の大好きな夕焼け空が広がっていました。「見て、お空がオレンジ色だね。一緒にお歌を歌いながら帰ろう」と話しかけ、娘の小さな手を握り直しました。
娘は私の手をぎゅっと握り返し、歩調を合わせて家までしっかりと歩き通してくれました。手を離さずに歩けたのはほんの10分程度でしたが、娘の手の温もりと成長の確かさを感じ、日常の何気ない帰り道が特別な時間になりました。